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葉隠徒然日記

日本史のことや興味のあること。とりあえず日々のニュースを徒然っております

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谷崎潤一郎はパニック障害だなぁ

谷崎潤一郎の「恐怖」という短編小説があるんですが、

これが思いっきりパニック障害の症状でびっくり!!

まずは抜粋!

友達のN―――さんの話に依ると、私の此の病気―――ほんとうに今想い出しても嫌な、不愉快な、そうして忌ま忌ましい、馬鹿々々しい此の病気は、Eisenbahnkrankheit(鉄道病)と名づける神経病の一種だろうと云う。鉄道病と云っても、私の取り憑かれた奴は、よく世間の婦人にあるような、船ふね車くるまの酔えいとか眩暈めまいとか云うのとは、全く異なった苦悩と恐怖とを感ずるのである。汽車へ乗り込むや否や、ピーと汽笛が鳴って車輪ががたん、がたんと動き出すか出さないうちに、私の体からだ中に瀰漫びまんして居る血管の脈搏みゃくはくは、さながら強烈なアルコールの刺戟を受けた時の如く、一挙に脳天へ向って奔騰し始め、冷汗がだくだくと肌に湧いて、手足が悪寒おかんに襲われたように顫えて来る。若し其の時に何等か応急の手あてを施さなければ、血が、体中の総ての血が、悉く頸から上の狭い堅い圓い部分―――脳髄へ充満して来て、無理に息を吹き込んだ風船玉のように、いつ何時なんどき頭蓋骨が破裂しないとも限らない。そうなっても、汽車は一向平気で、素晴らしい活力を以て、鉄路の上を真ッしぐらに走って行く。―――人間一人の命なんかどうなっても構わないと云うように、煙突から噴火山のような煤煙を爆発させ、轟々ごう/\と冷酷な豪胆な呻りを挙げて、真暗なトンネルをくゞったり、長い長い剣難けんのんな鉄橋を渡ったり、川を越え野を跨またぎ森を繞めぐりながら、一刻の猶豫もなく走って行く。乗合いの客達も、至極のんきな風をして、新聞を読み、煙草を吹かし、うたゝ寝を貪り、又は珍らしそうに眼まぐるしく展開して行く室外の景色を眺めて居る。
「誰れか己を助けてくれエ! 己は今脳充血をおこして死にそうなんだ。」
私は蒼い顔をして、断末魔だんまつまのような忙せわしない息遣いきづかいをしつゝ、心の中でこう叫んで見る。そうして、洗面所へ駈け込んで頭から冷水を浴びせるやら、窓枠にしがみ着いて地団太じだんだを蹈むやら、一生懸命に死に物狂いに暴れ廻る。
どうかすると、少しも早く汽車を逃れ出たい一心で、拳固から血の出るのも知らずに車室の羽目板をどんどん叩きつけ、牢獄へ打ぶち込こまれた罪人のように騒ぎ出す。果ては、アワヤ進行中の扉を開けて飛び降りをしそうになったり、夢中で非常報知器へ手をかけそうになったりする。それでも、どうにか斯うにか次ぎの停車場まで持ち堪こたえて、這々ほう/\の体ていでプラットフォームから改札口へ歩いて行く自分の姿の哀れさみじめさ。戸外へ出れば、おかしい程即座に動悸が静まって、不安の影が一枚一枚と剥がされて了う。
私の此の病気は、勿論汽車へ乗って居る時ばかりとは限らない。電車、自動車、劇場―――凡て、物に驚き易くなった神経を脅迫するに足る刺戟の強い運動、色彩、雑沓に遭遇すれば、いついかなる処でも突発するのを常とした。しかし、電車だの劇場だのは、恐ろしくなると直すぐに戸外へ逃げ出す事が出来るだけ、それだけ汽車程自分を Madness の境界きょうがいへ導きはしなかった。
其の病気が、いつの間にか自分の体へブリ返して居る事を心付いたのは、六月の初め、京都の街の電車に揺られた時であった。私は当分、汽車へ乗る事を絶対に断念して、病気の自然に治癒する迄、東京へは帰れないとあきらめて了った。そうして、是非共此の夏中に受けなければならない徴兵検査ちょうへいけんさを、何処か京都の近在で、汽車へ乗らないでも済む所で受けたいものだと思った

「潤一郎ラビリンス※(ローマ数字1、1-13-21)――初期短編集」中公文庫、中央公論社
   1998(平成10)年5月18日初版発行


この短編読んでびっくりしました

ってゆーのも、わたくしもこの「鉄道病」ってのになったからです

忘れもしない33歳の夏(´;ω;`)ウゥ

多分仕事でめっさストレスたまってたのと、いっろいろなことが重なってたんだと思う

原因がまったくわかんなくってすごい辛かったんだよなぁ

性格的にがつがつしてないし、ゆるいタイプなので、メンタルは強いほうだと思ってたわたくし

自分は弱くないから、絶対心療内科とかは無縁♪って思ってたのが悪かったのかも( ノД`)


ある日通勤の東海道線の中で、吐き気がきたのね

たぶん、前の日に飲みすぎ。。。てかただの二日酔いだから自業自得( ノД`)

その時が戸塚ー横浜間の13分とゆーめっちゃ長い時間

満員電車で吐き気を我慢しながら「ながい。。。ここで吐いたら一生の恥や」

なんとか次の駅で降りたんだけど、「電車乗ってる間ながいなぁ。何か起きたらどうにもならんじゃん」

この時、よくわからん恐怖とゆーか変な焦りがやってきて、あれ?どした自分?と、、、

なんてのかな「閉じ込められた」とゆーか、「あ、今ここで具合悪くなって倒れたら恥ずかしい」とか

色んな思いがごっちゃになって、今まで気にしたことがない「こわい」とゆ思いが出てきました

その日を境に、なぜか東海道線の横浜ー戸塚間(乗ってる時間が13分と長い)だけ、気持ち悪くなってくるよーに

でもパニック障害なんて言葉も知らなかったから、なんだ?自分どうした??!ってずーっと思ってて

そんな通勤の日々が一か月くらい続いて、だんだん強迫観念がでまくってきた
「ここでおかしくなったらどうしよう・・・」そんな思いばっかり(´;ω;`)
「電車に乗ってるのが怖いんだけど」なんて、人に言えなかったなぁー

たぶん、ぱんぱんだったんだと思う、、心がね

で、とある日の朝、戸塚で電車の扉が閉まった瞬間「次の横浜まで13分、出られない!」って思ったとき

ものすごーーーーいい恐怖と、あと動悸と変な息切れがきて、

ぶっちゃけ、このまま発狂するんじゃないかってくらいの恐怖感

わたくしの精神の何かがはじけてもーた( ノД`)

も、まさに谷崎潤一郎の気持ちがわかりまくって、ほんと小説読んでてびびったぁ

今は薬とかあるけど、当時彼がやったことは

「禁酒をしたり、冷水摩擦をしたり、健脳丸けんのうがんを呑んだりして」

って、その時代にも「健脳丸」といった、すごい名前のお薬はあったんですねぇー

いやー、それにしても久々に思い出してしまったパニック障害の恐怖( ノД`)シクシク…

もう十年以上前なのに、いまだに薬飲んでますからねぇ、ながいわぁー(;'∀')


ちなみにわたくし、十年以上神奈川県から東京までえぶりでー電車通勤してましたが

とうとう去年辞めましたw

電車が嫌いってのも、転職したかなりの理由にはいっとります

だって、毎日薬とか飲んで電車耐えるんだもん( ノД`)つかれちったさー

今まで谷崎っていったら痴人の愛とかちょっとした「へむたい」やーんって思ってたけど

デリケートな人なのね♪と、少し親近感( ´∀` )w

谷崎を知りたい人は作品を読むのはもちろんだけど、桐野夏生の「デンジャラス」とゆー小説がおすすめw

とってもわかりやすく谷崎一家のことが描いてあります( ´∀` )
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